県産キノコで加工品 オーダック(金武町)


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 キノコ・青果販売のオーダック(金武町、伊藤勝則社長)は、県産キノコを使った加工品開発に力を入れている。冬場に比べ、生産量が8割ほどに落ち込む夏場の需要を拡大する狙いがある。

豊富な栄養分を含んだ乾燥キノコや、県産モズクと組み合わせた商品などは既に販売を開始。新たな需要を呼び起こそうと、シェフとの共同開発という付加価値を高めた「プレミアム商品」の開発も進めている。2014年度以降は、県内量販店を中心に販路拡大を図っていく。
 県の統計によると、12年の県産キノコ生産量は02年比で7・3倍と大幅に伸びた。食生活の変化や食の安心・安全への関心の高まりなどを背景に、増加傾向で推移している。
 一方、鍋料理などで消費量が多い冬場に比べ、夏場は需要が少なく、単価も上がらないという。同社営業本部の上村秀利次長は「冬場に加工品も併せてPRしたい」と、夏場の生産量増加につなげたい考えだ。
 エノキ、ブナシメジ、エリンギ、クロアワビタケの4種が入った乾燥キノコ(税込み298円)は、天日干しによる養分の豊富さが魅力。機械のみで乾燥させるよりも、内臓脂肪を減少させる効果があるとされるエノキタケノール酸の含有量が増加するという。
 県産モズク酢にエノキを入れた「えのキッス」(同198円)も販売中で、本島中北部のJAファーマーズマーケットと一部量販店で取り扱う。県産ブナシメジとエノキを使ったパスタソース「きのこ屋さんのかけ麺の素(もと)」は14年度に発売予定。タコス味で中辛と甘口がある。
 そのほか、スペインやタイ、フランス料理といった外国料理を作る県内シェフとの商品開発も進めている。14年度以降に「沖縄の隠れた名店シリーズ」として売り出す考えだ。上村次長は「イベントやフェアで紹介するなど、商品開発と並行して認知度向上を図っていく」と力を込めた。
(長嶺真輝)