重量挙げ 全国トップ3選手 そろって沖国大へ


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 今夏の全国高校総体の重量挙げで94キロ級を制した屋良一郎(南部工)、77キロ級覇者の仲西弘一(豊見城)、105キロ超級2位の知念光亮(同)の3人が来春、沖国大に進学することが29日、決まった。同日、推薦入試の合格発表があり、大学側が明らかにした。10月にウエイトリフティング部を設立し、受け入れ準備を進めていた。全国トップクラスの3人の活躍はもちろんだが、部そのものも地元での新たな受け皿として期待が寄せられている。

 重量挙げ強豪県としての地位を確立している沖縄だが、高校卒業後に高いレベルで競技を続けられる環境はなく、これまでは実績のある選手のほとんどが県外へ進学していた。以前から選手や保護者、指導者らの要望は高く、沖国大がその声に応えた形だ。地域貢献や人材育成を掲げる大学側にとっても「知名度が上がり、大学も活性化する。ほかの学生にとっても励みになる」と効果は大きい。
 屋良は高校の全国大会で2階級6冠を遂げ、知念は前日本高校記録保持者、仲西も今年の全国選抜と全国総体で2冠達成、いずれも日本代表経験があるなど実績は十分だ。今回3人は指定競技(スポーツ)推薦入学制度を利用。経済学部と総合文化学部で学びながら競技に励むといい、4月の全日本学生選抜大会がデビュー戦となる予定。
 ウエイトリフティング部には現在、男女10人の学生が所属し、顧問を山入端津由・学生部長、監督を浦本寛史・経済学部教員が務める。練習環境が整うまで当面は豊見城高などで練習し、4月までには外部コーチなど専従の監督を決めるという。豊見城高の金城政博監督は「後輩たちも身近に背中を追うことができ、沖縄の競技力がさらに向上する」と話している。(大城周子)

大学でも活躍が期待される屋良一郎(国体少年男子94キロ級で2連覇した10月の東京国体)
(左から)知念光亮、仲西弘一