「人と関わり回復」講演で西園氏 精神障害者リハビリ学会


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西園昌久氏

 「日本精神障害者リハビリテーション学会第21回沖縄大会」(同大会運営委員会主催)の2日目が29日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた。日本の精神科医療が入院中心から在宅へ移行する中、精神障がい者の社会復帰に向けた支援の在り方を考えた。

心理社会的精神医学研究所の西園昌久氏が講演し「薬物療法のみでは、長期的に病状が改善しないことが明らかになっている。地域や人との関わりの両輪で回復していく」と強調した。
 大会には医療・福祉関係者や当事者ら約千人が参加した。西園氏は、適切な薬物療法に加え、当事者が望む支援や対話能力を高める生活訓練を組み合わせる必要性も説いた。那覇ピアサポートネットワークの具志堅直人共同代表は「当事者は発症に悩み、未来への絶望感を抱えている。その人らしく生きられるつながりや、人との接点が増えれば回復が早まる」と訴えた。
 30日午前9時45分から「戦争トラウマ(心的外傷)」をテーマに講演を行う。午後は就労や退院支援に関する発表もある。