JUPITER 節目刻む重厚サウンド


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 JUPITER(ジュピター)の結成30周年記念ライブが11月24日、北谷町のライブハウスモッズであった。1983年に結成、米軍基地内のクラブを中心に演奏を重ねて80年代の沖縄ロックを牽(けん)引してきた重鎮バンド。シーンの前線で磨き上げてきた重厚なサウンドと、硬軟織り交ぜた多彩な楽曲、音と溶け合った圧巻のパフォーマンスを惜しみなく繰り広げた。

結成当時のメンバーもゲスト出演し、当時よく演奏したというカバー曲も披露。来場者を熱狂させた。
 現在のメンバーは、結成時から活動の主軸を担うシンガーSATOMIとドラマーATSUSHI。休止期間を経て活動再開した2002年から加わったKEIJI(ベース)、KAZUSHI(ギター)、TAKASHI(キーボード)の5人。
 ステージに登場すると年季の入ったファンから親しみを込めた歓声が上がる。SATOMIは笑顔で応えると、力のみなぎる声で歌い出す。「ダークサイドムーン」「PLAYER」などを次々と奏でる。
 活動の軌跡を振り返るSATOMI。「ベース(基地)回りの時はグラスを食べるやつ、脱ぐやつ、泣き出すやつもいた。ステージより客席が楽しかったんじゃないか」。シンガーのKiyomiが合流し「SUNDAY MORNING」を歌う。さらに結成メンバーのKAORU(ギター)、MASARU(ベース)が登場するとフロアの熱気は最高潮。結成時の活動を「一日に何ステージもやって休みは月に2回ぐらい。緊張して前を見て歌えなかったのに、ここまで成長した」と、ファンへの感謝を込めて語るSATOMI。「SPRIT OF」などで新旧メンバーの掛け合いを存分に聞かせる。「PIRATES」なども演奏、感謝と喜びに満ちたステージでロックの楽しさを来場者と分かち合った。(宮城隆尋)

重厚なサウンドで来場者を熱狂させたJUPITER。(左から)TAKASHI、KEIJI、SATOMI=11月24日、北谷町のライブハウスモッズ
(左から)ATSUSHI、KAZUSHI=11月24日、北谷町のライブハウスモッズ