四大歌劇 格調高く 沖縄俳優協会


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ハンドー小(左、玉城敦子)の死を悲しむマチ小(中央、知念亜希)と船頭主(普久原明)=11月17日、西原町中央公民館

 沖縄俳優協会(春洋一会長)の地方公演が11月17日、西原町中央公民館であり、歌劇「伊江島ハンドー小」(真境名由康作)と喜歌劇「首里上り小」(伊良波尹吉作)が上演された。

「伊江島―」は安定した演技を見せ、格調高い四大歌劇の世界を表現した。今回初めて舞台横のスクリーンに字幕を表示し、おおむね好評だったという。
 地方公演は観客層の拡大が狙い。しまくとぅばになじみが薄い世代にとって、字幕は理解を助けるだろう。ただ字幕に気を取られ、歌や美しい型の感動が薄まる恐れもある。粗筋や主な詞章、見どころを解説した紙を配るのも一つの手ではないか。
 「首里―」は与座正恵、幸賢親子が夫婦を演じる配役も受けた。普久原明は「首里―」で情けない父親役を、「伊江島―」で落ち着いた船頭主役を務め、演技の幅を示した。ハンドー小(玉城敦子)を死に追いやる地頭代(島袋光尋)はもっと冷酷でもよかったが、普通の親が子どもかわいさの余り他人を傷付けるという教訓は感じられた。
 その他の出演は真栄田文子、宮里良子、与座朝奎ら。(伊佐尚記)