県内ホテルや公共施設60ヵ所 耐震診断の対象に


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 耐震基準が強化された1981年以前に建てられた大型施設に、2015年末までの耐震診断を義務付ける「改正耐震改修促進法」に基づくと、県内では約60のホテルや公共施設が対象となっていることが6日、県建築指導課の調査で分かった。

診断費用は、県や地方自治体の補助がある場合、国が2分の1までを補助する。しかし、県や県内市町村では対象施設に対する補助制度が策定されていない。県ホテル旅館生活衛生同業組合(宮里一郎理事長)は県や地方自治体への要請行動を展開している。
 同法は1981年以前の旧耐震基準で造られた、3階以上で床面積5千平方メートル以上の宿泊施設や病院、小中学校などに耐震調査を求めている。調査結果は15年以降、自治体のホームページなどで公表される。強度が基準以下であれば、耐震補強工事が必要になる。
 全国のホテル旅館業界は、調査期間が短い上に調査費用も高額になることや、耐震強度が基準以下と公表された場合の集客への悪影響、億単位になりかねない耐震補強工事などへの配慮や支援を関係機関に求めている。
 国は13年度から耐震診断、改修とも支援を拡大している。
 診断費用は、地方自治体の補助がある場合、国が2分の1まで補助。一方、自治体の補助がない場合、国は3分の1を補助するが、事業者は3分の2を負担しなければならない。
 改修費用は地方自治体の補助がある場合、国が3分の1まで、ない場合は国の補助率は11・5%にとどまる。
 県は補助制度創設について、財源の確保などで調整が必要とし、14年3月までに方向性を決める方針。
 今後市町村と補助費を負担する形での連携策も検討する。(呉俐君)