米戦闘機FA18の訓練 三沢に一部移転 日米が合意


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 【東京】小野寺五典防衛相は6日の閣議後会見で、米軍戦闘機FA18が久米島町の米軍鳥島射爆撃場で実施している爆撃訓練の一部を米軍三沢対地射爆撃場(青森県)に移転することで日米両政府が合意したと発表した。

関係自治体との調整や日米合同委員会の手続きを経て、来年3月までに実施に移す。移転日数は最大で年間30日としている。
 来年2月下旬から3月中旬にかけて、関山演習場(新潟県)と相馬原演習場(群馬県)で実施する日米共同訓練に、米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイを使用する方向で調整していることも明らかにした。
 鳥島での訓練をしているFA18は米海兵隊岩国基地(山口県)の所属だが、爆撃訓練時は嘉手納基地を拠点にしており、防衛省は移転により嘉手納周辺の騒音軽減になるとしている。ただ、自衛隊との共同訓練が条件となっていることから、どれだけ実施できるか不透明の上、外来機飛来も予想され、騒音低減につながるかは未知数だ。
 訓練移転は2006年の米軍再編に基づくもの。県内の射爆撃場では実弾を使った訓練を実施しているが、三沢では従来通り模擬弾を使用する。
 小野寺五典防衛相は「沖縄全体の負担軽減に向け、今後もできる限りの努力をしていきたい」と述べた。来年1月の名護市長選が知事の埋め立ての可否判断に影響を与えないよう、年内に知事承認が得られることを目指している政府は、沖縄の基地負担軽減を打ち出し、理解を得たいとの思惑がある。