キングス、破竹の9連勝 bjリーグ第15戦


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キングス―奈良 第4クオーター、ドリブルでリング下に切り込む金城茂之=7日、沖縄市体育館(渡慶次哲三撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=12勝2敗)は7日、沖縄市体育館でバンビシャス奈良(同地区9位=4勝12敗)と今季第15戦を行い、78―69で勝利し、連勝を9に伸ばした。

キングスは序盤から奈良の激しいディフェンスに苦しみ、リズムに乗れない時間が続いた。シュートが決まらず点差が開く場面もあったが、キブエ・トリムのインサイドなどで追い上げ、38―38の同点で前半を折り返した。後半も奈良ディフェンスの前に思うようなバスケットができず延長戦にもつれ込んだが、終盤にアンソニー・マクヘンリーが攻守で活躍して勝利をつかんだ。奈良との第2戦は8日午後6時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(13勝2敗)
78―69(23―26,15―12,12―15,19―16,延長9―0)
バンビシャス奈良(4勝13敗)

 【評】キングスが最後まで集中力を切らさず、延長戦にもつれ込む接戦を制した。ダブルチームや高い位置からのプレッシャーなど激しく守る奈良に対し、キングスはトリムや金城がインサイドに切り込んで加点した。互いにリードを奪うクロスゲームとなったが、延長戦でマクヘンリーが奮起して奈良を引き離した。奈良は延長戦でミスが重なり、0点に抑え込まれたことが痛かった。(平安太一)

◆大崩れしなかった
 伊佐勉HC(キングス)の話 交代やタイムアウトが裏目に出て選手を乗せることができなかったが、最後は選手が試合を決めてくれた。(遠山HCは)うちの選手の悪い癖を知っていて、そこを突いてきた。さすがだと思ったが、キングスの選手も大崩れはしなかった。

◆選手にはいい経験
 遠山向人HC(奈良)の話 奈良の選手はよく頑張ってくれた。素晴らしいファイトで首位の沖縄を相手に延長戦までもつれ込んだ。試合は沖縄のプラン通りのゲーム展開だった。延長戦は僕らの選手がくたびれて冷静な判断ができていなかったが、選手にとっていい経験になった。

◆延長戦圧倒、得点許さず 激しい攻守で突き放す
 勝負を分けたのは延長戦の勢いだった。運動量が落ちてミスを重ねる奈良に対し、キングスはマクヘンリーを中心に攻守で圧倒した。延長戦では奈良に1点も与えず勝利を手にし、伊佐勉ヘッドコーチは「強い気持ちで相手を0点にした。すごい選手たちだと思った」と感嘆した。
 新規参入ながら若さがあふれる奈良は手ごわかった。第1クオーター(Q)から体を張ったディフェンスを仕掛け、キングスの攻撃をことごとくつぶした。金城茂之が「自分たちの得意なプレーをさせてもらえなかった」と振り返るように、キングスは思うようにボールを回せなかった。
 第2Qではキングスのシュートが連続でリングにはじかれ、徐々に点差を広げられた。それでもトリムがリング下から攻めて食らいつき、金城は相手守備の隙を突いて得点を奪った。延長戦ではマクヘンリーが「相手を0点に抑えれば勝利できる」とチームメートを鼓舞。激しく守って攻撃につなげるキングスらしいバスケで奈良を寄せ付けなかった。
 金城は「苦しい試合だった」と激戦を振り返りながらも、「お客さんの声援が力になった」とブースターの後押しに感謝する。そして「明日は自分たちのペースをつかんで試合をしたい」と引き締まった表情で話した。(平安太一)