宜野座村、赤土流出農家に罰則 資材補助、一時停止へ


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赤土流出対策を講じなかったため赤土が流れた跡が残る畑=3日、宜野座村

 【宜野座】宜野座村は、農地に赤土流出防止対策を講じず、行政の再三にわたる指導や警告にも従わない農家に対し、2014年度から罰則として堆肥や資材を購入する際に支援していた農業補助金を一時停止する。

 農業補助金は、村内農家がJAおきなわから農薬や堆肥を購入する際、金額の10~25%を村独自の予算で補助する事業。金武町や名護市などでも実施されている。補助金が停止された農家には最大数十万円の自己負担金が発生する可能生があるが、停止後でも対策を講じれば再び補助金が受けられるという。
 県環境保全課によると、宜野座村の南東海域には農地から年間約4700トンの赤土が流れ込んでおり、流出量は本島内でも比較的多い。宜野座漁業協同組合によると、大量の赤土がサンゴの死滅やモズク養殖の不漁を招いている。
 そのため、県赤土等流出防止対策協議会の基本計画では、赤土流出削減により海域の再生を目指す重点監視海域に設定されている。
 村は環境保全に取り組むため、1982年に「村赤土等の流出汚染防止条例」を制定し、その後は傾斜地の勾配を修正する工事や、畑の縁に植物を植えるグリーンベルトを周知してきた。しかし、耕作面積が減ることを嫌がる一部の農家が対策を講じず、赤土を流し続けているという。そのため、村は同条例の施行規則を一部改正し、補助金停止を可能にした。
 村産業振興課は「赤土の流出減少は、個々の営農者の努力にもかかっている。対策を講じず、再三の警告に応じない農家には厳しい措置になるだろう」と述べた。