【交差点】大連で味わう日本文化


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 大連で情報の把握や日本文化を楽しめる環境が整ってきたのは数年前からである。先々週の経済セミナーに続いて先週は「日系製造業の海外事業展開の動向」セミナーが開催された。ほかにも現地駐在医師の医療セミナーがあり、年間を通して、月1回程度開催される。
 文化講演会は1年に一度の楽しみである。一昨年は作家の深田祐介氏が来連された。大連生まれである氏は思い出話を交えながら、中国東北地方や台湾の農業に貢献した日本人農業研究者3名をたたえた。多くの人が耳を傾けサイン会の列に並んだ。
 昨年は落語家・志の助師匠が来られた。私は切符を買って楽しみにしていたのだが急用で帰国したので聞けなかった。テレビで見る軽妙な語り口そのままに会場を沸かせたらしい。
 今年の文化講演会は先々週、志らく師匠の落語を聞いた。切符がさばけず再々度の参加呼び掛けがあったが、当日は日本人も中国人も子供たちも詰めかけて200人が楽しんだ。師匠はホテルの会議室に設(しつら)えた高座は初めてです、と言いながら古典落語を披露された。
 これらのイベントは、大連日本商工会が主催している。われわれ会員は参加することで、最新の情報をキャッチし日本文化に触れることができる。大連でも日本人在住者が増えるにつれて、日本を身近に感じながらの生活ができるようになってきた。
(池宮城克子・雑誌編集者、ウチナー民間大使)