名護「ツーデーマーチ」3年ぶり出場 東京・内田さん


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笑顔を見せる(右から)内田康雄さん、安食和憲さん、北村治男さん=7日、名護市の21世紀の森屋内運動場

 【名護】7、8の両日、名護市で開催された「名護★やんばるツーデーマーチ」で、東京のウオーキンググループ「のんき会」の内田康雄さん(78)が3年ぶりに参加した。

13年前から大会に参加しながら名護市民と交流を続けてきたが、東日本大震災で義兄夫婦が津波で不明となり、震災後は参加していなかった。「心の整理がついた」という内田さんは「名護の人と空気に癒やされた」と久しぶりのやんばる路を満喫した。
 内田さんの妻・優喜子さんの兄で、仙台市に住んでいた能勢全(やすし)さんとみお子さんは津波で不明となり、内田さんらも仙台に通って2人を捜したという。
 これまで「のんき会」は北海道から沖縄まで全国の大会に参加していたが、震災後は義兄夫婦のこともあり、遠出するのに気持ちの踏ん切りがつかなかったという。震災後初めて地元以外の大会に出るのに名護を選んだのは、13年前から交流する市内のダイニングバー「彩」の新城文さんらの存在だ。
 内田さんは「お客さんを『お帰りなさい』と迎えてくれるのは名護でしか聞いたことがない。自然とここに足が向いた」と話す。
 今回は「のんき会」の北村治男さん(64)、安食和憲さん(66)と3人で20キロコースに参加し、名護市屋部地区の緑や自然を楽しんだ。内田さんは「3・11の後は近場しか行けなかったが、心の整理もついた。来年もまた来て、名護の人たちの元気な顔が見たい」と顔をほころばせた。