米議会、グアム移転費の凍結継続 負担軽減は不透明に


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米上院のレビン軍事委員長は9日、2014会計年度(13年10月~14年9月)の国防予算に関する声明を発表し、在沖米海兵隊のグアム移転に対する日本政府の拠出金について、計画や設計事業など一部例外を除き、予算の執行凍結を継続することで上下院が合意したことを明らかにした。

 安倍晋三首相は8月に上院の重鎮マケイン議員らに凍結解除へ協力を求めていたが、凍結が継続することで日本政府が沖縄の基地負担軽減の柱とするグアム移転は依然不透明な情勢が続く見通しとなった。
 一方、米議会関係者によると、国防総省が14会計年度に米側の費用として要求した8600万ドル(約89億円)については、上院が6月に削除を決めていたが、下院との協議で承認の方針を決定。上下院の協議でグアム移転の新規予算が復活するのは2年連続となる。
 ただグアム移転に対する米側の支出額は同費用を含めても10~14会計年度の合計で5億1900万ドル(約535億円)にとどまり、米側総事業費55億ドル(約5665億円)の1割足らずにすぎない。一方、日本政府はグアム移転事業に916億円(09~13年合計)を拠出しているが、その8割が凍結措置で未執行となっている。
 米上院はグアム移転費の積算がずさんだとして、国防総省に基本計画の提出を求めている。レビン氏が9日公表した14会計年度の国防権限法案では、基本計画提出などの条件が満たされない限り予算凍結を続けるとの方針を重ねて示した。