沖縄研究奨励賞3氏の受賞発表 沖縄協会


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 【東京】沖縄協会(東京都、清成忠男会長)は10日、50歳以下の新進研究者を表彰する第35回沖縄研究奨励賞を発表した。

 自然科学部門でモハメド・アムザド・ホサイン琉球大学准教授の「亜熱帯島嶼(とうしょ)における環境保全型作物生産技術およびウコン品種開発に関する研究」、人文科学部門で伊藤慎二国学院大助教(44)の「先史琉球の土器と社会」、社会科学部門で平良好利獨協大学特任助手(41)の「戦後沖縄と米軍基地に関する研究」を選んだ。
 贈呈式は来年1月23日に那覇市のパシフィックホテル沖縄で開く。副賞に研究助成金50万円が贈られる。
 ホサイン氏は栽培期間が45日も短く収量の多いウコン新品種「琉大ゴールド」を開発した。伊藤氏は奄美と沖縄の土器の共通性を指摘するなど琉球列島の先史時代の社会的段階を解明した。平良氏は戦後の米軍統治下で沖縄の米軍基地が形成されるプロセスと政治的過程を考察した。

 ホサイン氏の話 環境保全型農業の構築のため、世界的人口増の中で資源をどう活用するか、ウコンの研究も含めて今後も研究したい。

 伊藤氏の話 アジア太平洋の広い地域を視野に、貝塚時代の沖縄、奄美がどのような位置にあり、社会を展開していったかを研究したい。

 平良氏の話 今研究は米軍統治下の沖縄だったが、復帰以降の政治状況と米軍基地の関わりも研究したい。