「科学教室の継続必要」 沖縄高専シンポジウム


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ALLやんばるの成果と今後の方向性を話し合う登壇者ら=4日、名護中央公民館

 【名護】国立沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)が進める「ALLやんばる科学と教育のまちづくり」の成果と課題を話し合うシンポジウムが4日、名護中央公民館で開かれた。

参加者らは子どもたちに身近な科学教育の場を提供したプロジェクトの意義を評価するとともに、事業継続へ地域・関係機関連携の必要性を挙げた。
 「ALLやんばる」は科学技術振興機構の補助を受け、2011年度に開始。離島も含めた出前教室や常設の「サイエンスランド」で大人や子どもに科学の面白さを伝え、科学教育に携わる人材育成にも取り組んだ。本年度で補助が終了するため、継続への方向性を市民と共に考えようと開かれた。
 沖縄高専の平山けい教授をコーディネーターに大北小教頭の比嘉悟さん、ALLやんばるの外部評価委員を務める末吉司さん(NPO法人Hico理事長)、琉球新報北部支社報道部長の金城潤さんが登壇した。
 登壇者はサイエンスランドをはじめ、事業が児童の学ぶ意欲を高めているなどと評価し、末吉さんは「地域と連携した形で継続するには、地域コーディネーターの配置がいる」と指摘した。
 比嘉さんは「まだ一部の子どもが対象であり、全ての子どもを対象にしてほしい」と教育委員会や学校の積極的な関わりを求めた。
 金城さんは海洋博公園や国際海洋環境情報センター(名護市)など近隣の研究機関と「相互に講師派遣するなど、事業で構築した人的ネットワークを深めれば相乗効果が生まれる」と提案した。