宮古島挙げ比国支援 台風被害に慈善演芸会


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フィリピンの踊り「カタラナ・カリニョーサ」を踊る関係者ら=7日、宮古島市の下地農村改善センター

 【宮古島】台風30号により甚大な被害を受けたフィリピンを支援しようとチャリティー演芸会(宮古婦人連合会主催)が7日、宮古島市の下地農村改善センターで開かれた。

宮古島は、大きな被害を出した2003年の台風14号で多くの支援を受けたこともあり、住民多数が協力。島内のフィリピン出身者による伝統芸能など多くの演舞が披露され、盛り上がった。
 演芸会開催は、市内に住む被災地の出身者から支援を求める声が上がったのがきっかけ。これに呼応し、2週間という短期間での開催にこぎ着けた。用意した400枚近いチケットは完売。多くの寄付もあり出演者らを喜ばせた。寄付した黒島正夫さん(77)は「フィリピンの人を応援するメッセージを届けたい」と思いを語った。収益や寄付金は全て日本赤十字社などを通し支援に充てられる。
 舞台でバンブーダンスを踊った友利ジョイさん(38)=市下地=は、被災したレイテ島の出身。両親が住む実家は屋根が吹き飛ばされ、ブルーシートで仮に覆い暮らしているという。
 台風襲来から1カ月たつ今も停電が続き、これまで届いた支援は米5キロのみ。「そんな中でも頑張って生きている」と母国を励ますように話す。
 友利さんは13日、実家の片付けのため、2年ぶりに母国に帰る予定だ。「遠く離れた宮古島でも、こんなに支援している人がいることを伝え、励ましたい」と涙ながらに語った。