航空機整備基地にANA入居 那覇空港内、15年度開始


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航空機整備基地建設予定地

 県が那覇空港内で2015年度の運用開始を計画している航空機整備基地に、全日本空輸(ANA)が入居することが決まった。11日までの入居者公募にANAしか応募がなかった。

県は16日の審査を経て正式に決定する。今後、航空需要が広がるアジアに近い沖縄の地理的優位性を生かし、ANAグループの機体だけでなく、海外のジェット機や格安航空会社(LCC)の小型旅客機の整備需要も見込む。ANAはこれまで「その他事業の育成も視野に入れ、沖縄経済の活性化に貢献したい」としており、将来的には空港周辺を航空機関連産業の集積地帯にすることを目指す。
 ANAは13年10月、中期経営戦略で那覇空港の航空機整備事業へ本格参入すると発表していた。同社は発表時「今回のような大掛かりな整備拠点は今までにない事業」と話している。
 県は整備基地を「臨空型産業振興」と位置付け、さらなる雇用の創出や自立型経済の構築を目指す。航空機整備基地を拠点に、エンジンメーカーや部品メーカーなど関連産業を呼び込む狙いだ。アジアとの地理的優位性を生かした沖縄ならではの「巨大産業」として位置付ける。
 県は14年度に着工し15年度中の運用開始を目指す計画。整備基地だけでも300人の雇用創出を見込む。面積は4万平方メートル(施設面積2万平方メートル)で、建設費用は約100億円。場所は空港内の航空自衛隊地対空誘導弾パトリオット(PAC2、PAC3)用地の一部を利用する計画。
 整備基地をめぐっては、日本トランスオーシャン航空(JTA)も既存の整備施設の拡充の意志を示していた。県の条件などを勘案し今回は応募を見送った。(阪口彩子)