名護市・金融特区、知事権限で業種拡大 自民税調了承


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 【東京】政府・与党は11日、名護市の金融特区に関する税制優遇措置を2014年度から抜本的に改正する方針を固めた。これまでの金融業だけでなく、県知事の権限で他の業種にも対象を拡大し、特区外での活動も可能にする。

県が産業育成を図るIT(情報技術)産業や物流などとの連携を見込む。抜本改正に伴って名称も「金融特区」から「産業集積経済金融活性化特区(仮称)」に変更する。金融特区の抜本改正は02年の設置以降初めて。
 沖縄路線に対する航空機燃料税の軽減措置についても、県内離島と那覇を結ぶ全路線を対象に追加して延長する。12日にまとめる14年度税制改正大綱に盛り込む。
 政府が11日の自民党税制調査会の幹部会合に拡充案を提示し了承された。一方、県が求めていた金融特区内での株式などのキャピタルゲイン(譲渡益)に対する非課税措置については「不公正な租税回避を誘発する恐れがある」(政府関係者)として見送られた。
 ただ政府は、代替案として県が要望していない業種の拡充を盛り込むなどして企業や人材を呼び込む措置を図っており、異例の対応となった。
 今回の改正は、沖縄の自主性を尊重し、対象業種は知事が設定して首相が認定するように変更。具体的な事業者は知事が認定できるようにする。事業者は特区外でも金融業以外の活動ができるようにし、特区内の従業員数も「10人以上」から「5人以上」に緩和する。
 地元の雇用創出につなげるため、特区内で雇用を増やす事業者が、税制面で優遇される仕組みを導入する。投資促進税制の要件は現行の1千万円以上から100万円以上に緩和。法人税の特別償却を認める制度を創設する。