ハワイから遠隔講演 天文学者・嘉数さん


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ハワイから沖縄尚学高校の生徒に語り掛ける嘉数悠子さん=6日、米国ハワイ州国立天文台ハワイ観測所

 県出身で国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)の天文学者・嘉数悠子さん(37)が6日、母校の沖縄尚学高校(那覇市、名城政次郎校長)の生徒へ向けてハワイからテレビ電話で遠隔講演を行った。国際文化科学コースの1~3年生63人が参加した。

 嘉数さんは「宇宙を夢見て6千里 海外生活13年のうちなーんちゅ天文学者の地球放浪物語」と題して講演。米国留学を経てフランスやハワイで天文研究に携わってきた経験から「さまざまな国の人と共に過ごし、多様な価値観に触れることで、日本を客観的に見ることができる」と海外で働く魅力を話した。ハワイのマウナケア山に各国の天文台が集中する理由を「周囲に陸がない絶海の孤島なので、常に大気が一定に流れ、澄んでいる」と説明。最新鋭の天文台開発状況や、18世紀の石垣島の星図を紹介した。
 嘉数さんは「世界は広い。宇宙はもっと広い。自分の可能性に自分でふたをしているのかもしれない」と後輩にエールを送った。
 4日前に石垣島から転入してきたばかりという西表里鶴(りず)さん(1年)=南風原町=は「夢を諦めず、世界を視野に入れていてすごいと感じた」と話した。延総史(のぶそうし)さん(同)=那覇市=は「嘉数さんのような先輩がいるのが誇らしい」と感想を述べた。
 国際文化科学コース主任のブースクリ悟子(のりこ)教諭は「ぜひ外に出て行って沖縄の立ち位置を知り、将来の沖縄を考えてほしい」と語った。
英文へ→Astronomer Kakazu delivers lecture by TV phone from Hawaii