出身地の島救いたい 知念ガリさん、「村民に感謝」と涙


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集められたタオルやシーツ、古着などを届け先ごとに仕分ける知念ガリさん=11月29日、伊江村西江上

 【伊江】11月8日の台風30号で大きな被害に見舞われたフィリピン中部のサマール島を支援しようと11日、村内の各団体が支援物資を集め、同島出身で伊江村に住む知念ガリさん(39)を通じて、1トントラック約1台分の物資を送った。

 物資を集めたのは、知念さんが民泊受け入れ民家を登録している伊江村観光協会民泊部会(金城盛和会長)や息子の大地君が通う西小学校6年生保護者会、ホテルYYYクラブイエリゾート(中川祐介支配人)。知念さんは「伊江島の人々が私を助けてくれた。村民に感謝」と涙ながらに話した。
 知念さんは、8人きょうだいの長女。2000年に伊江村に嫁ぎ、同村西江上区に暮らす。
 知念さんによると、サマール島の実家の母やレイテ島タクロバンに住む弟妹、親戚の安否確認ができたのは5日後。マニラに暮らす妹が現地入りし、無事を確認した。タクロバンから車で約20分の距離にある実家は残っていたが、弟と妹の家は全て流され、必死の思いで実家へ避難。一命を取り留めたという。
 息子の大地君はニュースを聞き、「これも使って」と財布にあった小遣い全額を母に渡した。また、大地君のクラスメートは集まった物資の荷造りを手伝った。
 知念さんは「民泊部会に物資協力をお願いしようと思っていたが、言い出す前に協力してもらい、励ましてもらった。本当に感謝している」と喜んだ。土地勘が分かる自分が現地に行き「自分の手で渡したい」話した。(中川廣江通信員)