養殖スギ、再興へ 県内大手、出荷を再開 久米水産


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 県内の養殖スギは、病気の大流行などにより、国の統計がある2009年の生産量が、02年比で91・4%減の43トンにまで落ち込んだ。現在も低水準で推移しているが、県内生産量の大半を占める久米水産(うるま市、久米清一社長)は、県内の魚種では珍しい脂身の多さや豊富な栄養成分などを背景に、生産に力を入れている。

12年の台風で一度は出荷が途絶えたが、13年11月には県内出荷を再開し、加えて香港への出荷も開始した。
 スギは暖かい地域の魚で、国内養殖は沖縄が北限とされる。県内では珍しい脂身が多い魚として人気を誇り、02年の生産量は502トンに上った。しかし03年、最悪で死に至る類結節症やイリドウイルスなどの感染症が流行し、生産量が前年比45・0%減の276トンと激減。その後は減少の一途をたどった。
 そのような状況の中、久米水産は10年ごろにスギの養殖を開始。11年からは出荷も始めた。
 しかし12年10月に相次いだ台風でいけすが崩壊し、スギが全て流出。一度は完全に出荷が途絶えたが、それから約1年をかけて再び稚魚を成長させ、今年11月に再出荷にこぎ着けた。
 県内の飲食店に加え、週20キロほどを香港のホテル向けにも卸している。国内外を合わせ、今月は1トンを見込む。
 今後は通年で生産し、年間30トンの出荷を目指している。
 同社の新垣宗敏営業部長は「魚の密度など、毎日様子を見て管理すれば、病気になるのは極力防げる」と説明。「今後イベントなどを通して食べ方などをPRし、うるま市の特産品として認知度を高めたい」と意気込みを語った。
(長嶺真輝)

出荷前の養殖スギ(4.3キロ)
養殖スギの出荷作業をする久米水産の濱崎泰臣養殖事業所長=13日、うるま市の久米水産