「長寿牛」で最終審査 ビジネスグランプリ、八重山農林が挑む


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最終審査会に向け意気込みを見せる八重山農林高校畜産部=9日、石垣市の同校

 【石垣】全国の高校生からビジネスプランを募集し、発想や完成度を競う「高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)で、八重山農林高校畜産部のプランが最終審査に進む8組(ファイナリスト8)に選ばれた。生徒らが9日、同校で会見し、来年1月11日に東京大学で行われる最終審査会に向けた意気込みを語った。

 グランプリには全国の151校から1546件の応募があった。同校は畜産部のほか、アグリ・リサーチ部もバニラ加工品販売のプランで応募し、ベスト100に選出された。
 畜産部が作成したビジネスプランのタイトルは「『石垣長寿牛』加工食品の開発」。高齢となった老廃牛(経産牛)を肥育し、ハンバーグなどの加工食品にして販売するプランを立てた。
 子牛の生産は品質向上のため定期的に母牛を更新しているが、高齢の母牛は肉質が低下しているため老廃牛として処分されることが多い。八重山地域では年間1500頭ほどの母牛が更新されているという。
 沖縄振興開発金融公庫がビジネスプランの作成を指導。生徒らは地元の精肉店などを訪ねて加工品の製造過程や市場の調査も行った。
 書類選考した審査員からは、商品イメージが分かりやすく全体的に計画がまとまっていることが評価された。高齢牛のマイナス面を逆手に取り「長寿牛」と名付けたことも評価された。
 最終審査会でプレゼンテーションする上江洲安志君(2年)は「石垣の母牛を有効に活用することで、八重山の活性化につながることを伝えたい」と語った。