PHSのウィルコム沖縄(那覇市、仲本栄章社長)は、親会社のウィルコム(東京)と総合通信のイー・アクセス(同)が来年4月1日に合併することに伴い、PHS事業に加えて、モバイルブロードバンドのサービス拡充など県内でイー・アクセスのサービスを新たに展開する。
親会社はイー・アクセスに吸収合併されるが、ウィルコム沖縄はPHSを主事業とする現地法人として存続する。イー・アクセスの商品は4月1日から各店で取り扱いを始め新規顧客を開拓する。
ウィルコム沖縄によると、県内でのイー・アクセスの商品やサービス提供は一部の量販店などにとどまっている。今回の合併を受け、データ通信に強みがあるイー・アクセスのサービスを県内で広げ、新たな需要を掘り起こす。
16日、会見した仲本社長は「主力のPHSはこれまで通りサービスを提供する。合併によりPHS事業や会社がなくなることはない。親会社もPHSを続ける」と説明した。その上で「合併は事業領域を拡大する機会と捉え、展開していきたい」と意気込みを語った。
ウィルコム沖縄はPHSの契約数を伸ばしており、売上高に当たる営業収益は2011年3月期から3期連続で増収となり業績は堅調に推移。今年10月には累計契約数が13万件を突破した。14年3月期は営業収益47億2千万円、純利益4億1400万円で増収増益を見通す。
県内PHSの普及率は県外全域と比べ3倍と好調で独立性を維持することが効率的と判断されたという。
ウィルコムはウィルコム沖縄の株84%を所有。イー・アクセスが存続会社となるため、ウィルコム沖縄の持ち株、親会社もそのまま移行する。合併後の新会社は社名を改める予定だが、仲本社長は「地域に根差し地場として独自の宣伝、営業を図っている。独立性を保つためウィルコム沖縄の社名も維持したい」と話した。