戦前写真66点入手 うる文化協、関係者名乗り呼び掛け


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 【南城】一般社団法人うる文化協会はこのほど、沖縄戦当時に米兵が持ち帰った沖縄出身の兵士やその家族などの写真を、米兵の遺族を通じて入手した。その写真の展示会を南城市佐敷新里の「カフェ風の里」で開催している。同会の高江洲朝男事務局長は「遺族の方に一枚でも多く返却したい」と話している。

 「本部村字備瀬 具志堅甚通 大正十三年十一月」と記された軍服姿の男性や、「津波 平良忠治郎君」「宮城健吉君」「大正十五年七月大阪玉造リニテ金城道吉兄長子 道秀ちやん」「右 金城道信 前田政市」など名前や日時が記載された写真のほか、縄を編んでいる女性の写真など当時の風景が映し出されたものなど66点。字が判読できない写真もあるが、良好な状態で保存されている。
 カフェは入場無料。写真は、沖縄への返還を仲介した国際支援NPO「ユニ」のホームページでも公開している。
 高江洲事務局長は「今後、各市町村での移動写真展も検討していきたい。多くの人の目に留まることで、写真の返却につながるはずだ」と期待した。問い合わせなどは高江洲事務局長(電話)090(9599)9586。

沖縄戦時、県出身者やその家族と思われる写真66枚が展示されている写真展=12日、南城市佐敷新里の「カフェ風の里」
軍服姿や家族との記念で撮影された写真