伊江村・ナガラ原第三貝塚で腕輪の人骨 県内初確認


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 【伊江】伊江村教育委員会は17日、伊江村川平のナガラ原(ばる)第三貝塚で、ゴホウラと呼ばれる貝類の腕輪を着装した人骨を出土したと発表した。ゴホウラ貝の腕輪を着装した状態で人骨が見つかったのは県内で初めて。

縄文時代から弥生時代にかけての時代のものとみられる。琉球大学非常勤講師の土肥直美さん(形質人類学)は、当時の社会や文化の新たな側面を知る上で「貴重な発見」と話した。
 人骨は石灰岩で造られた石のひつぎに埋葬されていた。土肥さんは「完成された腕輪をはめて石棺墓(せっかんぼ)に埋葬されているのは初めて見た。特別な人物だったのかもしれない」と話す。
 人骨や石棺墓は、縄文時代後期から弥生時代中期(2500~2千年前)のものとみられる。ゴホウラ貝の腕輪は直径8センチ。石棺墓は、長さ2メートルで幅約0・9メートル、深さ約40センチ。
 ゴホウラ貝は九州北部地方で貴重な装飾品として着装されていた。沖縄ではゴホウラの貝や腕輪自体は発見されていたが、着装事例がなかったため供給地としてのみ考えられてきた。土肥さんは「今回の発見で着装していた事実が分かる」と述べた。
 同村教委は今後、発掘された人骨についてDNA調査も含めた分析を行うとしている。

ゴホウラ貝の腕輪を着装した人骨=9月19日、伊江村川平のナガラ原第三貝塚