動物園「国立化」探る こどもの国でシンポ


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講演などを通し国立動物園の役割について議論する参加者=14日、沖縄市の沖縄こどもの国

 【沖縄】国立動物園の必要性やその役割などについて考えるシンポジウム「新たなる動物園への道3」が14日、沖縄市の沖縄こどもの国で開催された。「国立動物園を考える会」(小菅正夫代表)の主催。

 現在日本には86の動物園があるが、いずれも自治体などによる公立や私立のもので、国立動物園はない。小菅代表は講演で、国立動物園があれば外国で保護された動物の域外保全や保護政策を推進できるとして、「持続可能な社会への貢献や生物多様性などに関わる国際協力、責任を果たすことができる」と強調した。
 「動物園の未来を考える」と題し講演した木下直之東京大教授は、明治時代からの動物園の変遷を紹介。自治体の財政に依存していることや、動物収集が困難になっていることに触れ「国立動物園を考える背景には動物園の行き詰まりがある。何のために必要かが問われている」と指摘した。
 後半ではトークセッション「なぜ今、国立動物園なのか」があり、講演者らが意見を交わした。