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島田杯 50年ぶり“発見” 県高校球児の励み

 県高校野球新人中央大会で手渡されている優勝カップ「島田杯」の初代が18日までに、約50年ぶりに見つかった。沖縄戦当時に県知事を務めた島田叡氏を顕彰して贈られたもので、所在を捜し続けていた県高野連関係者も半世紀ぶりの“発見”を喜んでいる。

 島田杯は1964(昭和39)年に兵庫県の島田叡氏事跡顕彰会が顕彰事業の一環として、県高野連と島田氏の母校である兵庫高校(旧神戸二中)にそれぞれ贈った。同年に開催された第2回沖縄選抜高校野球大会で優勝したコザに手渡された。当時コザの監督だった安里嗣則さんは「ぴかぴか光っていて、こんなに立派なカップがあるかとびっくりした」と振り返る。
 数年は引き継がれた記録が残るが、その後所在が分からなくなっていた。現在は85年に同顕彰会が再び贈った杯を使用している。今月、県内の個人宅で保管されていると県高野連の神谷孝会長に連絡があり、17日に役員らが杯を確認。表に「島田杯」裏には「島田叡事迹顕彰会 1964」の刻字があることなどから本物と判断した。優勝校を記したリボンなどは付いておらず、今回発見された場所に渡った時期や経緯は不明という。
 島田杯との再会を果たした安里さんは「実物を確認するまでは信じられなかった。本物だと分かった時にはうれしかった」と感慨深げ。兵庫高校にも連絡を入れ、喜びを分かち合ったという。11月には県内で「島田叡氏事跡顕彰期成会」が発足したばかり。神谷会長は「行方が分からずいつも気に掛かっていた。期成会ができた年に見つかり、縁を感じる」と話す。二つの杯のほかにも、島田氏にゆかりのある千葉県の顕彰会から70年に贈られた島田杯があり、これらを今後どう扱うかは関係者で話し合うとしている。


半世紀ぶりに見つかった島田杯(手前)と現在使われている島田杯(中央)。奥は43年前に千葉県から贈られた島田杯

1964年12月、島田杯がコザ高に手渡されたことを伝える当時の琉球新報紙面