「地方の視点」に力 沖縄・奄美映像祭開幕


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沖縄・奄美映像祭のシンポジムで、地方の視点で国の在り方を捉え直す意義などについて意見を交わすパネリストら=21日、那覇市の沖縄大学

 沖縄や奄美のテレビ局が過去に放送した記録映像を集めた「沖縄・奄美の映像祭」(NPO法人文化経済フォーラム主催)が21日午後、那覇市の沖縄大学で開幕した。23日まで。初日は10作品を上映したほか、シンポジウム「地域からこの国を問う~『地方の時代』映像祭がめざすもの」では、地方の視点で国の在り方を捉え直す意義などについて、意見が交わされた。

 同映像祭が連携する「地方の時代」映像祭プロデューサーの市村元さんは、シンポジウムで「中央集権的国家を優先する社会への対抗軸を『地方』とし、弱者の立場からこの国の在り方を見詰めるのが目的だ」と話す。「世の中が均質化して面白くない社会になっており、地方はこの状況に対して『ちょっと待て』と言える力があるのではないか」と強調した。
 本年度「地方の時代」映像祭のグランプリ受賞作「死の棘」は、じん肺問題の歴史をたどり、現状を浮き彫りにした。製作した静岡放送の小川滿報道局長は「過去の取り組みをつなぎ新たな視点を加える作業がいかに大切かを分からせてくれた作品。報道の在り方を考えさせられた」と話した。