浦添10年ぶりV 男子興南は17連覇 新報旗高校ハンド


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 ハンドボールの第30回琉球新報旗争奪九州高校選抜大会県予選(主催・県ハンドボール協会、琉球新報社)は22日、八重瀬町東風平運動公園体育館で決勝を行い、男子は興南が36―28でコザを退け、17年連続26度目の優勝、女子は浦添が24―23で那覇西に勝ち、10年ぶり5度目の栄冠をつかんだ。

 男女の上位2校は全国出場を懸けた九州選抜大会(来年2月7~9日、大分)に派遣される。

◆冷静守備、1点差でかわす/浦添
 前半を那覇西に2点リードして折り返した浦添。後半は守備のファウルで2度の退場があり、1人少ない苦しい場面が続いた。
 終盤21―18と3点リードの場面。守備の要として激しく当ってきた宮城美季が退場となった。7メートルスローも与え、ここから連続4失点で逆転を許した。
 だが、「こういう場面も想定して、いつも練習している」と安里こころ主将。チームに「焦りはなかった」と振り返る。足を動かして数的な不利をカバー、すぐに同点に追い付いた。
 守備は高い位置から積極的に仕掛ける1―2―3の陣形。「意識して前で止めにいった」(宮城)。那覇西の1年生ポイントゲッター・上地涼奈にたびたび得点を許したが、前に出てプレッシャーをかけ、枠外に打つよう仕向けた。
 浦添の攻撃の核となったのは翁長鈴。主力を温存した序盤2試合は応援に回り「試合に出ていない人の気持ちも分かった」といい、準決勝、決勝と「一つ一つ大切にプレーした」。
 終盤は1点を奪い合うシーソーゲームになったが、粘りの守りを見せた浦添が僅差で勝利。途中出場し、後半の活躍が光った富本望美は「練習の成果が出せたかな」と胸を張った。
 「九州でもディフェンスを徹底していく」と安里主将。次も守りを速攻につなげ、勝ちにいく考えだ。(宮里努)

◆前半に大量点 後半も振り切る/興南
 男子は興南が貫禄勝ちした。前半から速い展開の攻撃でテンポ良く得点を重ね、25―13とコザに大きくリード。後半は差を詰められたものの、そのまま振り切った。
 攻撃の中心となった下地利輝、伊舎堂博武、田里亮稀の3人は、全国総体王者となった今夏を経験。多彩なプレーでチームを引っ張った。
 しかし終盤に流れをつかんだのはコザ。興南・黒島宣昭監督は、点差が開いたことで選手の「集中力が切れた」と振り返る。主将の下地も「守備でマークミスがあった。守備も攻撃も雑になった」と話した。
 九州と、その先の全国を見据えるチームにとって課題もあった試合だったが、しっかり修正して次戦に臨むつもりだ。

女子決勝 浦添―那覇西 ジャンプしてシュートを放つ浦添の翁長鈴=22日、八重瀬町東風平運動公園体育館(花城太撮影)
男子決勝 興南―コザ 敵ディフェンスを割ってシュートを放つ興南・下地利輝