負担尻目に政府目線 沖縄問題報道でシンポ


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沖縄問題の報道をめぐり本土と地元メディアの差異などを議論した登壇者ら=22日、那覇市国場の沖縄大学

 「沖縄・奄美の映像祭」(主催・文化経済フォーラム)の2日目が22日、那覇市国場の沖縄大学で行われた。23日まで。シンポジウム「“沖縄”はなぜ報道されないか?」が開かれ、約120人が参加した。沖縄問題の報道をめぐり、政府の目線で伝えることが多い中央メディアの課題などが指摘された。

 沖縄大学客員教授の緒方修さんを進行役に、TBSキャスターの金平茂紀さん、同志社大学教授の渡辺武達さん、元沖縄タイムス社会部長でフリーライターの屋良朝博さん、元QAB報道制作局長で文化経済フォーラム理事長の具志堅勝也さんが登壇した。
 屋良さんは「中央メディアには海兵隊に詳しい人がほとんどいない。基地問題を報道する上で、予備知識自体がない」と強調した。さらに「ワシントン駐在記者の英語力が乏しく、権力側から下りてくる情報しか取れない場合が多いという」と話した。
 金平さんは「『辺野古承認へ官邸総力』の新聞見出しのように、ニュースの主語はいつも『政府』だ」と指摘。「中央メディアは沖縄の負担を知っている。だが沖縄の問題に向き合うのが面倒で、政府の目線で書き続けている」と批判した。