農業産出9.6%増 877億 肉用牛など畜産堅調


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県内農業産出の推移

 沖縄総合事務局が25日にまとめた2012年の県内農業産出額は、前年比9・6%増の877億円となった。復帰後ピークを迎えた1985年以降で、台風直撃などで最低を記録した前年からの反動増が主な要因。

サトウキビや葉タバコなど、前年の台風被害が大きかった耕種部門は高い増加率となり、11年も前年並みを維持した畜産部門は、子牛価格の上昇などでさらに産出額を伸ばした。
 耕種部門は14・2%増の492億円。サトウキビが23・7%増の146億円、葉タバコが2・3倍の37億円と工芸農作物が回復。天候に恵まれたレタスやゴーヤーなどの野菜も6・7%増の128億円。一方で台風の影響などでマンゴーやタンカンなどの果実は3・7%減の52億円となった。
 畜産部門は4・1%増の385億円。供給過多による鶏卵の価格低下で、3・6%減の66億円となった鶏以外の項目は、増額した。肉用牛は子牛価格の上昇で5・9%増の144億円、乳用牛は頭数の増加で12・5%増の42億円、豚は4・0%増の131億円となった。
 個別農産物の産出額上位は、前年に復帰後初めて3位に後退したサトウキビが1位。2位に前年1位だった肉用牛が入り、3位豚、4位キク、5位鶏卵と続いた。
 近年の県内産出額は900億円台で推移していたが、11年に800億円と大幅に減少。12年も依然サトウキビと葉タバコの園芸農作物が、2年前の10年と比較すると21・7%減の184億円にとどまり、900億円に届かなかった。
 全国の農業産出額は3・2%増の8兆6104億円。その内沖縄のシェアは1・0%で、順位は前年から一つ上げ全国33位だった。