興南(男子)16強進出 全国高校選抜バスケ


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興南―福島商業 第1クオーター、ジャンプシュートを決める興南の比嘉崇光=25日、東京体育館(平安太一撮影)

 第44回全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)第3日は25日、東京体育館で男子の2回戦などを行い、県代表の興南は65―62で福島商に競り勝ってベスト16進出を果たした。

興南は第1クオーター(Q)からテンポ良く得点を重ね、序盤からリードを奪った。しかし第2Qに入ると福島商の3点弾に苦しめられ、ファウルも重なって波に乗れなかった。それでも第4Qの終盤に比嘉崇光らが速攻から得点して福島商を振り切った。興南は大会第4日の26日、同体育館で福岡大大濠と3回戦を戦う。

▽男子2回戦
興南
65―62(18―11,14―20,16―11,17―20)
福島商

 【評】興南が終盤に粘って逃げ切った。第1Qは中村陽延や下地敦之の得点で優位に立った。第2Qも比嘉崇光のドライブなどで点差を広げたが、3点弾が好調な福島商が追い上げた。興南は福島商ディフェンスに手を焼いて、引き離せなかった。第4Qの終盤に比嘉のドライブなどで加点し、フリースローを確実に沈めて勝利を引き寄せた。福島商は残り数秒で同点を狙った3点弾を外したことが痛かった。(平安太一)

◆DFから修正した
 井上公男コーチ(興南)の話 出だしは良くて、第1Qは相手を11点に抑えることができた。第2Qと第3Qに流れを持って行かれたが、最後にリバウンドをしっかり拾い、フリースローも決めてくれた。流れが悪いときにはディフェンス
から修正するように伝えた。

◆僅差の最終盤にリズム/強い気持ちで逃げ切る
 興南の選手はリングを目指して全力で走った。第4クオーター(Q)残り3分を切って興南のリードはわずか2点。勝負を決する試合の最終盤で前本理央のミドル、大城琢磨の速攻、比嘉崇光のドライブとテンポ良く得点した。「最後は強い気持ちで戦った」。チーム最多の17得点を奪った比嘉は引き締まった表情で話した。
 第1Qに勢いに乗った興南だったが、相手の厳しいディフェンスにも苦しめられて徐々にペースを乱した。リバウンド争いでも不利になり、堅守からの速攻という得意のプレーに持ち込めずにいた。
 試合の主導権を握れないまま迎えた第4Qの終盤。タイムアウトを取った井上公男コーチは選手らに呼び掛けた。「リバウンドから速攻につなぐいい流れを思い出そう」。その言葉に選手らが呼応した。大城はリバウンドから勢いよく攻撃につなぎ、「前半は自分のミスから流れを悪くした」と反省する比嘉は積極的にドライブを仕掛けた。最後は「負けたくないので思い切り跳んだ」と言う城間銀次郎が相手のシュートミスを拾い、激戦に終止符が打たれた。
 次戦は強豪の福岡大大濠とぶつかる。比嘉は「気持ちで負けないことが大切だ」と言い、「しっかりと興南のバスケットをやれば勝負できる」と力をこめた。(平安太一)