興南8強ならず 全国選抜高校バスケ


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興南―福岡大大濠 第1クオーター、ジャンプシュートを決める興南の中村陽延=26日、東京体育館(平安太一撮影)

 第44回全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)第4日は26日、東京体育館で男子3回戦などを行い、県代表の興南は50―91で福岡大大濠に敗れてベスト8進出は果たせなかった。

興南は第1クオーター(Q)、中村陽延や比嘉崇光のインサイドで得点を重ね、一進一退の攻防を繰り広げた。第2Qに入ると激しくプレッシャーを仕掛ける相手守備を崩しきれず、徐々に点差が開いた。後半は大城琢磨や永吉龍也が粘り強く加点したが、大きく開いた点差を詰めることができなかった。福岡大大濠の津山尚大(北谷中出)は約25分の出場時間で8得点1アシストを決めた。

▽男子3回戦
福岡大大濠
91―50(17―15,26―9,24―15,24―11)
興南

 【評】興南は福岡大大濠の堅守を最後まで崩せなかった。第1Qは中村や比嘉が速攻から得点し、15―17と互角の戦い。第2Qから福岡大大濠がコート全体で激しくプレッシャーを与え、興南はターンオーバーが増えて点差が開いた。リバウンド争いでも不利になり、得意とする速攻に持ち込めなかった。福岡大大濠は守りからリズムをつかみ、シュートチャンスを確実に得点につなげた。
(平安太一)

◆守備への対応も遅れた
 井上公男コーチ(興南)の話 試合の入りは良かったが、リバウンドが取れずに速攻に持って行けなかった。相手守備への対応も遅れた。優勝候補と戦えたことは選手にとって貴重な経験になった。最後までチームプレーをやり通せたことも良かった。

◆強豪に最後まで全力
 試合終了のブザーが鳴るまでリングに向かう気持ちは衰えなかった。相手は優勝候補の福岡大大濠。勝利はつかめなかったが、コートには興南の選手らの強い気持ちが満ちていた。
 第1Qから全力だった。試合開始直後にボールを手にした比嘉崇光はリングに向かい、先取点を奪った。中村陽延は速攻からドライブを仕掛け、ファウルをもらうなど気迫あふれるプレーを見せた。
 「強い相手だと分かっていたけど目標のベスト8に向かうため強気で戦った」と中村は言う。福岡大大濠も徐々にペースをつかんで猛攻を仕掛けたが、興南は金城健一朗がアウトサイドから得点して流れを渡さなかった。
 第1Qを終えた時点で興南のビハインドは2点。ここから福岡大大濠が牙をむいた。高い位置から激しくプレッシャーを与えて興南のオフェンスをつぶした。好きなようにプレーできない興南にミスが増え始め、シュートもリングにはじかれた。
 「先輩が調子に乗れないときにつなぎたかった」と言う前本理央が、ドライブからリングをこじ開けたが、勢いを取り戻せないまま時間が流れた。
 「ベスト16の壁を越えられずに終わって残念だ」と中村は語る。それでもチームワークを武器に3回戦まで勝ち上がってきた。「この舞台で全力を出し切れた」とうなずき、激戦を終えたコートを後にした。(平安太一)