名護圧勝、2回戦へ 全国高校ラグビー


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1回戦、名護―浜松工 前半30分、左サイドを駆け上がり、36点目のトライに持ち込む名護の伊佐太貴=27日、東大阪市の近鉄花園ラグビー場

 第93回全国高校ラグビー大会は27日、東大阪市の花園ラグビー場で開幕して1回戦8試合が行われ、3年ぶり15度目の出場となる県代表・名護は浜松工(静岡)に79―7で大勝した。

名護は30日の2回戦で関商工(岐阜)と対戦する。仙台育英(宮城)は大分舞鶴を21―12で下し、2回戦に進んだ。三島(愛媛)は富山第一を53―0で退け、花園初勝利を挙げた。尾道(広島)は朝明(三重)に46―0で快勝。日本航空石川は倉敷工(岡山)を19―0で下した。札幌山の手(南北海道)東京(東京第2)も2回戦進出を決めた。開会式後のエキシビション(特別試合)として開かれたU18花園女子セブンズでは、普及の部に名護高3年の中村佳奈が西軍メンバーとして出場した。試合に先立つ開会式では倉吉北(鳥取)の田中丈大主将が「花園から世界へと羽ばたいていきます」と宣誓した。28日は1回戦の残り11試合を実施。今春の選抜大会を制した大阪桐蔭(大阪第2)などシード校は30日の2回戦から登場し、決勝は来年1月7日に行われる。

守備、足で振り切る
▽1回戦
名護
79―7(36―7,43―0)
浜松工(静岡)

 【評】名護は速いパス回しでサイドからサイドへと大きく展開。浜松工の守備を足を使って振り切り、最後は独走でトライを決める場面が目立った。キックで大きく陣地を奪うプレーも狙い通りだった。ステップを踏んでタックルをかわすうまさも随所にあった。前半、ラックからパスをつないだ浜松工に得点を許したが、その後は何枚ものタックルで相手の得点機をつぶしていった。浜松工は、FW陣が守備で機能しなかった。(宮里努)

◆速い展開 県勢最多79点
 名護がまた一つ新たな歴史をつくった。12本のトライを決め79得点。7年前に自校の先輩が挙げた50得点を上回る県勢過去最多点で浜松工を圧倒した。
 前半から名護の速い展開が光った。開始早々の3分、中央付近のラックから出たボールを素早いパス回しで右につなぎ、WTB久高亮一郎がトライ。同12分に警戒していた浜松工主将に同点とされたが、許した得点はこれだけ。後は最後まで名護のペースだった。
 「ボールを動かすことがテーマだった」。辺土名斉朝監督が振り返るように、名護は動きを止めないことを心掛けた。ボールを左右に大きく振り、敵守備が手薄なところを突いた。
 大きく蹴って一気に攻め込む場面も目立った。ボールの取り勝負になるが、これを想定した練習を繰り返してきたという。
 トライのたびに「まだゼロ―ゼロ」と声を上げ、チームを引き締めた宮里純貴主将は「練習でやってきたことがしっかり出せた」と胸を張る。最多3本のトライを決めたHO伊佐太貴は「いい流れで攻めることができた」と笑顔を見せた。
 守備では「前に出て相手をつぶすことができていなかった」(PR玉城郷海)と反省点もあったが、粘り強いタックルで追加点を許さなかった。
 次に勝てばベスト16。名護がつくった県勢最高成績に並ぶ。「しっかり自分たちの展開ラグビーで戦いたい」と宮里主将。その言葉に気負いはなかった。(宮里努)