幸福の「黄色いハンカチ」 フクギ染め特産に


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幸福の黄色いハンカチを手に「今度はTシャツを染めよう」と意気込む参加者=19日、うるま市勝連浜

 【浜比嘉島=うるま】フクギ染めによる「幸福の黄色いハンカチ染め体験」が18、19の両日、うるま市勝連浜区で行われ、区民らが参加した。染色料のフクギの皮は島のものを活用した。

参加者全員がフクギ染めは「初めて」で、黄色に染まったハンカチに笑顔を見せた。講師の當山みどりさん(38)は「浜比嘉の産業にしたい」と今後に期待を込めた。
 県立芸大で染織を学んだ當山さんは、島でとんぼ玉などの工芸品を作る工房を開いている。7月から島に住み「フクギがいっぱいあると思った。枝を落として廃棄していると聞いたので染めようと思った」と語る。島の人たちによると、30年前は集落内全体がフクギの並木道だったが徐々に減っているという。
 初日は同区の前宮セツ子さん(68)の自宅敷地のフクギの皮を剥ぎ、木綿のハンカチを染めやすくするため化学薬品を使った下処理をした。2日目は数カ月間乾燥させた皮とハンカチを80度に保った熱湯で20分間煮た後、発色をよくするアルミ媒染を30分行った。模様を入れるために縛ってあったゴムやビー玉を取り除くと、参加者から「きれい」と声が上がった。
 中野信子さん(72)は「みんなと一緒にやると個性が表れて素晴らしい。来月のバスツアーで迷子にならないようにみんな持っていこう」と笑顔で話した。