琉球大・平良成 夢諦めず四国独立Lへ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
四国アイランドリーグplusの高知入りを決めた平良成(浦添高出)=琉球大学

 その右腕に底知れぬ可能性を秘めている。本格的にマウンドに立ち始めたのは今年1月から。強肩を武器に最速148キロを投げる本格派に急成長を遂げた琉球大の平良成(おさむ)=浦添高出=が、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグス入りを決めた。将来は日本野球機構(NPB)の球団に進むことが目標で、「もっと経験を積んで技術を上げたい」と真っすぐな瞳で話した。

 小学校から野球を始め、中学まで外野手や捕手を経験した。高校1年のときに投手を任されたこともあったが、「野球人生では捕手が中心だった」。高校野球を終え、県外の大学に進むことも考えた。しかし浪人生活を経て琉大に進むころには「野球で上に行きたいという気持ちは薄れていた」と言う。大学の硬式野球部には入らず、職域の草野球チームでプレーした。
 プロ野球選手の夢を諦めかけていた昨年10月、小中学生のときに一緒にプレーしていた島井寛仁が楽天からドラフト指名を受けたことを知った。「島井は諦めずに野球を続けてプロになれた。自分ももう一度チャレンジしてみよう」。野球に懸ける情熱がよみがえり、琉大の硬式野球部で本格的な練習を開始した。
 「地肩は強いので直球に自信があった」と言い、投手としてマウンドに立つ道を選んだ。当初は硬球の感覚を取り戻せず苦しんだが、「多くの球を投げ込んで筋力を付けることで克服できた」。今年春のリーグ戦では、直球とカーブのみで強豪の名桜大を相手に七回まで無失点で切り抜けた。試合は敗れたが、「ゲームを崩さずに勝負できたことに手応えを感じた」と振り返る。
 今月行われた四国アイランドリーグplusのドラフト会議では高知から3位指名を受けた。同リーグの香川オリーブガイナーズから中日に進む又吉克樹も小中学校からの知り合いで、「(プロ入りは)大きな刺激になった」と語る。来年2月からはキャンプがスタートする。「投手としてまだまだ経験が浅いので、もっとマウンドさばきを学びたい」と決意し、「パワーではなく技術で勝負できる投手になる」と理想を描いた。(平安太一)