県中学新人野球であげなが5年ぶりV 九州切符獲得


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北中城―あげな 6回2死二、三塁、逆転のホームに生還するあげなの宮里龍=28日、国頭村のくにがみ球場(諸見里真利撮影)

 軟式野球の第4回KBC学園杯争奪・第17回県中学校新人大会最終日は28日、国頭村のくにがみ球場で決勝までが行われ、あげなが3―2で北中城を破って5年ぶり4度目の頂点に立った。

 あげなは二回、北中城に2点を先制されたが、四回1死三塁から4番・宮里龍がスクイズを決めて1点を返した。
 六回は2死から3番・佐渡山光が三塁打で反撃の口火を切った。四球で出塁した宮里が盗塁を決めて二、三塁とすると、相手失策の間に2点を奪って逆転に成功した。
 あげなは第11回九州中学生選抜大会(2014年3月・佐賀県)に派遣される。

◆あげな、劣勢も気持ち切らさず 六回裏2死から粘り発揮
 逆転の本塁を踏んだあげなの宮里龍は右手で力強くガッツポーズをして、喜びに沸くベンチに駆け出した。六回裏2死から安打と四球と相手失策でつかんだ逆転劇だった。
 宮里健一監督は「劣勢の中でも気持ちを切らさず戦ってくれた」と選手の粘りをたたえた。
 勝利への道筋を開いたのは佐渡山光だ。六回2死走者なしの場面で打席に立ち、「何が何でも塁に出ようと思った」。真ん中寄りの直球をたたくと打球は左中間を破り、一気に三塁を陥れた。「同点に追い付きたかったので打ててうれしかった」と喜ぶ。続く宮里龍は四球で出塁すると、「投手が走者を気にしていないことが分かった」とすかさず盗塁を決めた。
 一打逆転の好機で打席に立ったのは山川倫輝だった。二回に自らの守備の乱れで相手に2点を献上したため、「絶対に取り戻そうと思った」と振り返る。1ボール1ストライクからの3球目を打ち上げてしまったが、投手の失策を誘って試合をひっくり返した。
 地区大会の準決勝では美東にノーヒットノーランで敗れ、打撃力の強化を図って今大会に臨んだ。準決勝では二塁打を放った佐渡山は「コンパクトに振り抜くフォームに変えた」と言い、「決勝でも成果を出せた」と笑顔を見せる。優勝で九州大会への切符を手にし、「次もチームのために頑張りたい」と決意した。(平安太一)