村の守り神、区移管 南城・津波古、集落挙げて道じゅねー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
舞台前に飾られた村の神位牌、獅子の神・獅子頭と見守る関係者=津波古公民館

 【南城】村の守り神として地域住民から拝められてきた「村の神」と「獅子の神」の移転式典がこのほど、南城市佐敷・津波古区(瀬底正人区長)で多くの区民や関係者が参加して厳かに行われた。

 同集落は約580年前に大松堂と多和田、外間、喜屋武久の4氏(うじ)の人たちによって村建てされたといわれる。村を守る神と獅子の神獅子頭は、当初4氏の輪番制で保管されていたが、途中から戦前戦後を通じて「大松堂」の子孫が大事に保管してきた。
 近年、一家族での保存・管理が難しくなり、公民館で保管してほしいとの要望が出されていた。新しい公民館が完成したのを機に瀬底区長と大松堂の子孫の山城康佑さん(74)が協議して移転することとなった。
 当日は区民はじめ村建てした子孫らが参加して見守った。大松堂で瀬底区長と山城さんが代表して村の神を祭った位牌(いはい)に手を合わせて移転を報告。中庭では津波古棒術保存会が棒術を演じ、獅子舞が披露された。
 その後、獅子を先頭に「共同一致」の旗頭を携えて、元家から公民館まで約100メートルを参加者全員で道じゅねーした。公民館ホール前に村の神・香炉と津波古獅子の神・獅子頭を据えて、全員で合掌。瀬底区長が経過報告を行った。長年保管した山城さんに、瀬底区長から感謝状が贈られた。
 山城さんは「村を守り続けてきた貴重な神々を、区民の理解と協力で公民館で保管することとなり、気掛かりだった重荷がやっと取れた」と語った。(知花幸栄通信員)