名護 8強ならず 全国高校ラグビー、東海大仰星に0―63


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 全国高校ラグビー大会第4日は1日、東大阪市の花園ラグビー場などで3回戦8試合を行い、県代表の名護はAシードの東海大仰星(大阪第1)に0―63で敗れ、県勢初の8強進出はならなかった。

天理(奈良)が12―10で流通経大柏(千葉)に逆転勝ちし、準々決勝に進出した。天理は大会史上2校目の通算100勝。
 Aシード勢は昨春の選抜大会覇者の大阪桐蔭(大阪第2)が佐賀工を34―17で下し、初の8強入り。桐蔭学園(神奈川)は春日丘(愛知)を41―10で退けた。
 報徳学園(兵庫)は77回大会以来のベスト8で、前々回大会まで3連覇の東福岡なども勝ち上がった。
 抽選の結果、3日の準々決勝は東福岡―大阪朝鮮高(大阪第3)、天理―桐蔭学園、報徳学園―東海大仰星、大阪桐蔭―秋田工の組み合わせとなった。

▽3回戦
東海大仰星(大阪第1)
63―0(29―0,34―0)
名護(沖縄)

 【評】名護は果敢にタックルでぶつかっていったが、東海大仰星の地力が上回った。突破力のある相手に対し、名護は守備に集中せざるを得ず、手薄になったサイドを突かれてトライを奪われた。名護も展開ラグビーによる攻撃を試みたが、層の厚い相手の守備に阻まれた。キックで前進に成功する場面もあったが、得点までつながらなかった。東海大仰星は攻守で終始主導権を握った。(宮里努)

◆得意の展開に厚い壁 悔しい零封も胸張る16強
 後半開始間もなく、名護が最大の得点チャンスをつくった。自陣ラインアウトからのセットプレーで、ボールを抱えて密集を飛び出したSH小松崎歩が、左サイドを駆け上がった。
 しかし、そこにAシードの東海大仰星(大阪第1)の厚い壁が立ちはだかる。ステップを踏み、敵をかわそうとした小松崎だったが、囲まれて2人がかりのタックルでつぶされた。
 「迷いもあった」。敵守備の裏にキックで出すことも考えたが、「ボールを大事に攻め込もうと思った」。トライに届かず「集散がとても速くて圧力がすごかった」と振り返った。
 名護はパスで素早くつなぐ得意の形で攻撃を仕掛けた。サイドからサイドへ足を使って展開。相手の隙を探して前に進もうとしたが、「1人かわしても、また次のタックルが来た。相手のサポートの速さにやられた」とCTB渡口大貴。
 目標とした8強入りを果たすことはできなかったが、7年前に名護の先輩がつくった県勢最高のベスト16に並んで花園を後にする。
 宮里純貴主将は「自分たちがやりたいことができなかった」と零封された試合を悔しがる一方で「正月に花園でラグビーができたことを誇りに思っている」と涙はなかった。全員で胸を張って帰るつもりだ。(宮里努)

◆必死のタックル破られる
 元日の3回戦で「初タックルにいこう」。前日のミーティングでHO伊佐太貴が呼び掛けた。呼応するように、低い姿勢からのタックルでぶつかっていった名護だったが、東海大仰星の攻撃を抑え込むことはできなかった。
 「相手は大きくて、ぶつかってもなかなか倒れなかった」と伊佐。WTB浦崎剛史郎も「1人を止めるのに2、3人がかりだった」と優勝候補に挙げられるチームの底力を肌で感じた様子だった。
 辺土名斉朝監督は、タックルで倒しても次の選手へと素早くパスされたことに「2、3人目の動きを先に読んでディフェンスをしないといけない」と指摘、16強超えは「(県勢)皆の宿題」と話した。

◆スクラムは堂々互角に張り合う
 名護は体格で上回る相手に対し、スクラムでは互角に張り合った。FWの1人、LO具志堅陽祐は「相手は強かったが、セットプレーでは負けなかった」と全力でぶつかった試合を振り返った。
 先発平均で176センチ、89キロの東海大仰星に対し、名護は171センチ、74キロ。前半28分にモールを押し込まれてトライを奪われる場面があったが、これ以外は、がっぷり組んだスクラムで押されることはなかった。
 WTB久高亮一郎は「モールでしっかり食い止めれば流れが来ると思った」と振り返ったが、キックで前進した場面でトライを奪うことができず「悔しい」と話した。
 辺土名斉朝監督は「サイズは小さいが、スクラムは負けていなかった」と選手たちの頑張りをたたえた。

3回戦、東海大仰星のタックルをかわしながら駆け上がるSH小松崎歩(左)=1日、東大阪市多目的広場(宮里努撮影)
低い姿勢からのタックルでぶつかっていく名護の選手たち