データ活用 健康応援 那覇市医師会、LHRシステム運用


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「健康管理に役立ててほしい」とLHRシステムへの参加を呼び掛ける崎原永辰所長(右)と事務局員=2013年12月17日、那覇市東町の那覇市医師会LHR事務局

 那覇市医師会(真栄田篤彦会長)は定期健診や学校健診、臨床検査結果などのさまざまな健康情報を集積した上で個人や医療機関で共有し、病気の診断や健康管理に役立てる「LHRシステム」の運用を始めている。

同医師会生活習慣病検診センターは、健診を実施しているほか、医療機関から血液検査などを委託されている。同システムはセンターにあるデータの有効活用が狙い。システムに入会した個人がIDカードを出せば、参加医療機関で過去の診療結果を踏まえた診察が受けられる。医師にとっては、診療情報が増え、診察の参考になる利点があるという。
 データは匿名化して統計情報としても活用する予定。システム運用の責任者で同センターの崎原永辰所長は「病気の診断や治療には、数年にわたる過去の検査結果の情報が大事だ。データの変化から病気の兆しを見つけて予防もできる」と加入を呼び掛けた。
 同システムは昨年4月に運営を始めた。那覇市医師会の会員医療機関250カ所のうち12月17日現在40カ所が参加している。個人の加入者は約540人。同センターで入会手続きを実施している。個人の登録利用料と年会費は無料。市医師会によると、ネット銀行と同じレベルの安全対策が施され、本人がカードを提示しない限り、医療機関では個人情報を見ることができないような仕組みを整えている。
 システム内には、個人のページがあり、体重、血圧、食事、運動などの項目を入力すれば、生活習慣の評価が出るなど健康管理にも活用できる。LHRに関する問い合わせは事務局(電話)098(860)7314。
(高江洲洋子)