ヨガ、断食で健康づくり 北谷の建設業アイムホーム


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
山城薫さん(左端)と共にヨガに取り組む社員ら=2013年12月、北谷町のアイムホーム

 「目をつぶって、呼吸で全身をお掃除するように、きれいな空気を取り込みます」。ヨガインストラクター山城薫さん(54)の声掛けに、男女36人が体をほぐし始める。北谷町の建設業アイムホームでは月、水曜日の始業前、約10分のヨガを続けている。「人が財産」と語る渡久川剛社長(53)は社員の健康づくりに積極的だ。

 ヨガに加え、必要な栄養素を酵素ドリンクで取りながら6日間食事を取らないファスティング(断食)にも年2回、7割の社員が参加している。酵素ドリンクに掛かる費用は1人1回約2万円。うち1万5千円は会社から補助がある。
 ヨガインストラクターの資格を持つ山城さんが3年前、インテリアコーディネーターとして入社し、ヨガとファスティングを渡久川社長に紹介したのが始まりだ。「社員は毎日人と会って折衝する。ストレスの多い仕事だ。病気になっては働けない」と渡久川社長。ファスティングは食の改善、ヨガは精神面の育成を目的に取り入れたという。
 ヨガといっても、社員が取り組むのは呼吸と姿勢を整えながら体の緊張と弛緩(しかん)を繰り返す静かな動きだ。山城さんは「ヨガは自分を見詰める、ファスティングは食について考える時間。続けることでリセットできる」と語る。
 ファスティング前には、栄養士から食に関する講義を受ける。渡久川社長は「まず食事が変わった」と話す。腹を満たすだけの食事から、栄養やカロリーなど質を意識するように。普段は酒も飲み肉も食べるが、体重は3年前と比べ平均7キロ減を保っている。
 高血圧で服薬していたという伊佐忠次さん(57)はファスティングの後、上が150以上あった血圧が120台に下がった。野菜中心の食事を心掛けるようになった。
 知念美咲さん(27)は「体が軽くなった。1人では続かないと思う。会社で取り組んでくれるからやりやすい」と話す。
 ファスティング参加者への補助は1人年間3万円。36人全員が参加すれば108万円だ。「会社は人次第。決して高いと思わない」と渡久川社長。創業4年の若い会社だが、2011年度の県内建設業ランキングで増収率1位になるなど実績を伸ばしている。
(佐藤ひろこ)