東京商工リサーチ沖縄支店は7日、2013年の県内企業倒産状況(負債総額1千万円以上)を発表した。発生件数は前年比11・3%増の79件、負債総額は約3・6倍の384億1800万円だった。件数は金融支援効果などがあった前年より増えたが、景気拡大の好影響で建設業の倒産が減少し、過去5番目の低水準となった。
一方で負債総額は、大型倒産(負債総額10億円以上)が2件増の5件、大口倒産(同1億円以上10億円未満)も15件増の33件といずれも前年を上回り、膨らんだ。
件数は4月は10件で前年の倍となったが、それ以外は1桁台で前年とほぼ同水準だった。建設関連を中心に観光、個人消費の需要拡大に加え、中小企業金融円滑化法終了後も金融機関の貸し出し姿勢に大きな変化はなく、景気対応緊急保証の効果も続いたことで結果として低水準となった。
業種別では建設業が25件と全体の31・6%を占め突出したが、件数は前年から12・1ポイント減少し、構成比も14年ぶりに30%台と落ち着いた。医療福祉や飲食などのサービス業22件、卸売業9件、小売業8件、製造業7件―と続いた。
市郡別では那覇市が前年の2倍超の27件となり最多。次いで沖縄市8件、うるま市7件―など。糸満市と南城市は発生がなかった。
倒産状況を見ると65件が法的倒産だった。全体に占める割合は5年連続で半数を超え、82・3%と過去最多となった。同支店は「手形流通量の減少に伴い不渡りを出す企業が目減りする一方で、事業停止後に旧債整理などを行う事例が増加。この傾向はしばらく続く」と見通した。また「景気拡大の好影響と運転資金の調達環境も良く、年度末にかけても企業倒産は落ち着いた状況が続く」と予測した。