県が宮古、下地島両空港のいずれかへ設置を検討してきた税関・出入国管理・検疫(CIQ)施設に関し、宮古空港へ整備し、2016年3月に供用開始を予定していることが8日、分かった。
海外からの国際線の受け入れ体制が強化され、韓国や台湾などを視野に入れた宮古島市の観光誘客へ弾みがつきそうだ。
同市は、韓国や台湾などアジアからの観光誘客に力を入れ、昨年2月にはアシアナ航空が韓国ソウル(仁川)―宮古間にチャーター便を運航。昨年末にもチャーター便が3往復した。しかし、国際線を受け入れる場合、暫定的に国内線のスペースを分けて税関や出入国管理などを実施したため、手狭な状況となっている。このため、市はCIQ設置を県へ要請していた。
県空港課は、CIQ施設の整備へ向け、県や市の観光、交通関連の部局らでつくる連絡協議会を昨年11月に設置。本年度でCIQ施設の規模や配置、需要などの可能性調査を終え、14年度に実施設計、15年度内で工事を実施する予定だ。
地元では、16年3月の供用開始までにさらに国際線の誘致を進める方針。美しい海に加え、大小合わせて計7カ所のゴルフ場があり、冬でも存分にプレーできる同市の特徴をPRする。
宮古島市の下地信男観光商工局長はCIQ整備を歓迎し「昨年もチャーター便で来島した韓国や、姉妹都市の基隆市がある台湾からの誘客は特に重点的に取り組んでいる。夏場は(海などの)一般観光、冬場はゴルフを生かしていく」と意気込みを語った。
県内の大手旅行業者は「とてもありがたい。一方、宮古島で外国語に対応できるような受け入れ体制を早急に整えなければいけない」と話し、英語や韓国語、中国語など外国語表記の案内板整備の必要性も訴えた。
県文化観光スポーツ部の湧川盛順部長は「今後はしっかり海外観光客の誘客を進めて実績をつくりたい。チャーターから始めて定期路線に結び付ける仕組みを、宮古島市と連携してやっていきたい」と強調した。
(古堅一樹、阪口彩子)