アグー脂で伝統菓子 北農高生が開発「きんそこう」


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 県立北部農林高校(大城正也校長)と新垣菓子店(那覇市)は、アグー豚の脂を使ったちんすこう「きんそこう」を開発した。25日から新垣菓子店で先行販売し、名護市の道の駅許田や那覇空港などで販売される予定。価格は6個入り720円(税別)。

 北農は「琉球伝統菓子の復元と普及を目指して」をテーマに、2年生4人、1年生4人で150年前のちんすこうの味を再現しようと調査・研究を進めてきた。家庭用調理油にアグー豚の脂が使われていたことに着目し試作品を開発、新垣菓子店に商品化を提案した。
 名前の由来は、琉球菓子の文献には「きんそこう」と「ちんすこう」の両方の説があり、新垣菓子店の商品で「金楚〓」をちんすこうと読ませて販売しているのと区別して、「きんそこう」の表記にした。
 きんそこうは、独特な香りと甘みが特徴で、まろやかな口当たりに仕上がっている。食品科学科2年の仲宗根夏希さん(17)は「アグー豚の脂を使っているちんすこうは他の所にないので、違うおいしさをたくさんの人に食べてほしい」とPRした。
 新垣菓子店の新垣淑豊専務は「普段のちんすこうと違う、ちょっと高級感のある味を楽しんでほしい」と話した。問い合わせは新垣菓子店(電話)098(948)3654。

※注:〓は米ヘンに「羔」

アグー豚の脂を使ったちんすこう「きんそこう」を開発した県立北部農林高校の生徒ら=10日、琉球新報社
150年前のちんすこうを再現するためアグー豚の脂を使ったちんすこう「きんそこう」