ケラマジカの角発見 渡嘉敷村前島


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
人骨のそばでケラマジカの角を発見した吉原定男巡査部長=9日、渡嘉敷村

 【渡嘉敷】那覇署渡嘉敷村駐在所の吉原定男巡査部長が7日、同村前島の北側海岸砂浜で人骨発見の通報を受け、現場調査中に約2メートル離れた所からケラマジカの角も発見、渡嘉敷に持ち帰り村民に確認した。

 人骨は6日午後、航空自衛隊那覇救難隊の救難ヘリコプターがホバリング訓練中に発見。上陸して確認したところ、人が横になり白骨化したような状態だったため那覇署に通報した。吉原巡査らが確認したところ、カンザシ(ジーファー)も頭部にあり歯も全部そろっており、女性の古い骨とみられることが分かった。遺骨は渡嘉敷村役場の無縁仏墓に納骨された。
 発見されたシカの片方の角は根本から残り白くて古い。確認した村民は、前島には昔からシカは生息しておらず、なぜ、人骨のそばにあったのか不思議がっている。
 前島住民の中村文雄さん(74)によると、昔は前島北端には小さな集落があり、亡くなった人を西側砂浜に埋めて白骨化させた後に、合同墓に埋葬したという。「シカは座間味村の屋嘉比島などから漁民が捕獲して島に持ち込んだことを聞いたことがある」と話している。(米田英明通信員)