キングス勢い加速 bjリーグ第24戦


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キングス―高松 第3クオーター、リング下からシュートを決めるジェフ・ニュートン=14日、県立武道館(渡慶次哲三撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=20勝3敗)は14日、県立武道館で高松ファイブアローズ(同地区5位=13勝12敗)と今季第24戦を行い、91―64で勝利、連勝を5に伸ばした。

試合開始直後はキングスのシュートが決まらず高松がペースを握った。しかしキングスはジェフ・ニュートンが高さを生かした攻撃でリングをこじ開け、岸本隆一の3点シュートで試合をひっくり返した。第2Q(クオーター)に入ると高松のターンオーバーが増え始め、外から得点を重ねるキングスが波に乗り、51―32とリードして前半を終えた。後半に入ってもキングスの勢いは衰えず、岸本のアウトサイドや山内盛久のドライブでリードを広げた。高松の岸本行央(浦西中―興南高―明治大)は約3分の出場時間で1リバウンドを拾った。キングスの次戦は18、19の両日、宜野湾市立体育館に横浜ビー・コルセアーズを迎えてホーム2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(21勝3敗)
 91―64(23―13,28―19,19―16,21―16)
高松ファイブアローズ(13勝13敗)

 【評】キングスが高松の攻撃を封じて快勝した。第1Qは高松の速い攻撃に押されたが、キングスはコート全体を使う激しい守備で相手の流れを断ち切った。第2Qは高松のミスが増えたのに対し、キングスは外からの攻撃でリードを広げた。後半はキングスが小菅や岸本の得点で波に乗った。高松はライオンズを中心に攻撃したが、攻守ともにキングスを攻略できなかった。
(平安太一)

◆攻守ともにアグレッシブ
 伊佐勉HC(キングス)の話 前半から攻守ともにアグレッシブに行った。後半戦も集中し続けて最後までいいゲームだった。僕自身は選手交代で反省する部分もあった。次は昨シーズンの優勝チームと戦う。今の力でどれだけ対抗できるかチャレンジしたい。

◆監督としての力のなさ痛感
 前田顕蔵HC(高松)の話 自分たちの力のなさ、監督としての力のなさを痛感した。沖縄のプレッシャーディフェンスから走って攻撃する強みを消すことができなかった。(キングスとは)あと4試合あるので、ここから成長できるかが鍵になる。

◆堅守機能 流れ引き寄せ
 キングスの攻撃は最後まで衰えなかった。立ち上がりこそ高松に主導権を握られたが、持ち味の激しい守備が機能すると一気に流れを引き寄せた。アウトサイドシュートも好調で、攻撃でも高松を寄せ付けず27点差の快勝につなげた。
 序盤にチームを勢いづけたのはジェフ・ニュートンだった。第1Qの開始直後は連続してシュートが落ち、ターンオーバーも重なる悪循環に陥った。前半に苦しんだ高松との第1戦を思い起こさせたが、ニュートンが悪い流れを断ち切った。金城茂之のアシストを受けると豪快なダンクをたたき込み、バスケットカウントももぎ取った。直後にチームは息を吹き返し、岸本の3点弾で逆転に成功。ニュートンも再び得点してリードを広げた。
 この日はガード陣も好調だった。岸本が外角から3点弾を沈めれば、金城はインサイドに切り込んで相手守備を崩した。守備では高松が得意とする外角シュートと速攻を徹底して抑え、「5対5では絶対に破られない」と伊佐勉ヘッドコーチが胸を張る全員守備でピンチをしのいだ。
 3点弾3本を含む12得点でチームを勝利に導いた岸本は「最低限のノルマはクリアできた」と達成感をにじませた。次戦は4日後という過密なスケジュールだが、「試合が好きなので待ち遠しい」と口元を緩め、「昨シーズンのチャンピオンの横浜を超える」と宣言した。(平安太一)