伊江島・パラシュート降下訓練 2米兵、畑に着地


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 14日午前、在沖米海兵隊が米軍伊江島補助飛行場で実施した垂直離着陸輸送機MV22オスプレイからのパラシュート降下訓練で、米兵2人が、飛行場南側のフェンスから外へ約30メートルと400メートルの地点の2カ所にそれぞれ落下した。そのうち民間住宅地に近い方は住宅地から約170メートルの地点に着地した。けが人はいない。

沖縄防衛局と伊江村によると、落下地点は米軍提供区域内だが、同村住民が耕作地や牧草地として使用している。
 海兵隊は昨年5月にも同飛行場でオスプレイからの降下訓練を実施した際、米兵1人が飛行場から外れて米軍区域外の民間地へ降下している。島袋秀幸伊江村長は15日、防衛局へ再発防止と悪天候時の降下訓練自粛を求める。
 在沖米海兵隊報道部によると、14日は「日常の訓練」を実施していた。午前8時すぎごろから同飛行場周辺でオスプレイが飛行するのを住民が目撃している。
 防衛局によると、米兵2人は午前9時ごろ、飛行場のフェンス外へ降下した。海兵隊は訓練の参加兵士の人数や飛行場から外れた原因などの詳細について明らかにしていない。米軍や防衛局から訓練実施について村への事前通知は定められておらず、今回もなかった。
 降下時は、耕作地など着地点付近に住民はいなかった。耕作地はタバコの植え付け前で作物の被害はなかったが、畦(うね)が踏み荒らされていたという。在沖米海兵隊は「負傷者や損害が出た報告はない」としている。
 防衛局は14日、海兵隊へ安全管理に万全を期すよう求めた。

パラシュート訓練でフェンス外に落下した米兵の足跡が残るタバコ畑=14日、伊江村西江前(伊江村役場提供)
米軍パラシュート訓練米兵降下場所