辺野古埋め立て、承認取り消し求め提訴


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 仲井真弘多知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画の埋め立て申請を承認したことについて、県民194人が15日、県を相手に承認の取り消しを求めて那覇地裁に提訴した。同時に原告のうち辺野古・久志の近隣住民など43人が承認の効力の一時執行停止を求めて申し立てをした。

 原告の内訳は辺野古・久志住民12人、その他地域の名護市民と宜野座村民合計30人、国頭漁協の漁業者1人、他地域の県民151人。
 訴状では「埋め立てが環境保全および災害防止に十分配慮したものであること」と定めた公有水面埋立法4条1項2号について、飛行場建設によって騒音被害が増大し、ジュゴンやウミガメの保全措置も「実効性に乏しい」として違反していると指摘する。「国土利用上適正かつ合理的」であることを条件とする同1号には「国は普天間飛行場の危険性除去を新基地建設のための駆け引きの道具にしているに過ぎない」などとして、埋め立ての必要性はないと主張している。
 執行停止申し立てでは、申立人は埋め立てによって良好な自然環境を半永久的に失い、騒音などで人体に生じる影響も金銭では回復できないと主張した。
 安次富浩原告団長は「沖縄は全国で一番、誤った国策に難儀させられてきた。正していくためにも大事な裁判だ。中身に踏み込んで判断してほしい」と話した。池宮城紀夫弁護団長は「これから生まれて来る子どものために、基地ではなく素晴らしい自然環境を残すのが大人の義務だ」と語った。
 仲井真弘多知事は「公有水面埋立法に定める承認基準に適合していたことなどから承認した。まだ訴状が届いていないので、具体的なコメントは差し控えたい」と述べるにとどめた。