男子・浦西、女子・港川V 県中学新人ハンドボール


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 ハンドボールの第10回浦添市長杯争奪・第41回県中学校新人大会最終日は18日、浦添市民体育館であり、男子決勝は浦西が延長の末26―23で美東を下し、5年ぶり8度目の優勝を飾った。女子決勝は港川が神森を25―22で破り、11年ぶり2度目の頂点に立った。

男女の優勝校は、春の全国中学生選手権大会(3月26~29日・富山県)に出場する。

◆総合力で逃げ切る 女子・港川
 港川が11年ぶりに女王の冠を手にした。後半に相手の猛攻に遭い、ひやりとする場面もあったがリードは一度も許さなかった。主将の真座あすかは総合力の勝利に胸を張った。
 足を動かし、守備から速攻を展開するのが持ち味だ。この日も前半は素早く圧力をかけて相手の攻撃をつぶし、金城ありさの強烈なシュートなどで得点を重ねた。後半は陣形を変えた相手守備に足が止まり2点差まで詰められたが、残り1分で真座が倒れ込みながらシュートを決め、土壇場で流れを引き戻した。
 徹底した走り込みが土台にある。チーム最多の8得点を挙げた金城は「3―2―1守備は体力がいるけど、それを50分間続けることができる」。きつい練習の中で声出しを意識することで、試合中もいい雰囲気を保てているという。前任の仲西で実績のある神谷加代子監督が一昨年から指揮を執り、浦城小時代に全国制覇を経験したメンバーら実力の高い選手がそろう。右45度の金城、右サイドの真座という左利き2人を擁するのも強みだ。
 指揮官は「全国でも通用すると思う」と語る一方、相手守備に対応できなかった時間帯を課題とした。金城は「体格では負ける他県のチームとどう戦うか。全国大会までに鍛えたい」と、目指す日本一へ成長を誓った。(大城周子)

◆わずかな勝機逃さず 男子・浦西、気迫で延長戦制す
 延長戦にもつれ込んだ男子決勝。最後は、相手の退場で数的優位に立った浦西が連続得点で熱戦に終止符を打った。試合終了のブザーが鳴ると、浦西の選手たちはコートで跳びはね、抱き合って喜びを爆発させた。主将の井口元太は「厳しい試合だったけど最後まで諦めずにできた」とうれし涙をにじませた。
 176センチの井口が高さを生かしたシュートを決めるなどして前半は5点をリードして折り返した。後半、相手が守備を高めに敷き出すとペースを乱し、じわじわと点数を詰められる。井口のシュートが決まらず苦しい展開の中、途中で左サイドからセンターに上がった比嘉麻人のカットインやGK新里輝の好セーブで踏ん張った。
 そして同点で迎えた延長。多和田真尚監督は「気持ちで負けるな」と選手たちをコートへ送り出した。前後半5分ずつの延長前半は互いに1得点。後半、積極的な攻撃を仕掛けた浦西の気迫に軍配が上がった。多和田監督は「わずかなチャンスを決めることができた」と粘りをたたえた。
 チームで一番小柄な146センチながら大きな働きをした比嘉は「強い気持ちで前へ攻めようと思った」と言い、全国舞台に向けて「みんなでガンガン攻めたい」と意気込む。井口も「攻撃力を磨いて全国優勝したい」と頼もしかった。(大城周子)

女子決勝・神森―港川 後半24分、24点目のシュートを決める港川の真座あすか(左)=18日、浦添市民体育館(花城太撮影)
男子決勝・美東―浦西 優勝を決めて喜びを爆発させる浦西のメンバーたち