キングス延長制す bjリーグ第26戦


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キングス―横浜 第2延長戦で相手守備をかわしてシュートを決めるドゥレイロン・バーンズ=19日、宜野湾市立体育館(山城博明撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=22勝3敗)は19日、宜野湾市立体育館で横浜ビー・コルセアーズ(東地区6位=13勝12敗)と今季第26戦を行い、延長戦の末に87―81で勝利、連勝を7に伸ばした。

第1クオーター(Q)は接戦となったが、第2Qに入るとインサイドを固める横浜の前にキングスの攻撃が停滞。第2Qをわずか6得点に抑えられ、28―39とリードされて前半を終えた。後半もキングスのシュート精度が上がらずに我慢の時間が続いたが、第4Q終盤にアンソニー・マクヘンリーが攻守で活躍して同点に追い付いた。延長戦ではドゥレイロン・バーンズの外角、キブエ・トリムの内角で着実に得点して横浜を振り切った。キングスの次戦は2月1、2の両日、岩手県の奥州市総合体育館で岩手ビッグブルズと2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(23勝3敗)
87―81(22―21,6―18,17―16,23―13,延長6―6,延長13―7)
横浜ビー・コルセアーズ(13勝13敗)

 【評】2回に及ぶ延長戦の終盤でキングスが底力を見せた。第1Qは互いに波に乗れないクロスゲームとなった。第2Qはキングスが横浜のインサイド守備を崩しきれず、外角シュートも落ちてリードを広げられた。第3Qも着実に得点する横浜を捉えられずにいたが、第4Qの終盤にマクヘンリーの連続得点などで追い付いた。第1延長戦は両者が激しく競り合った。第2延長戦で横浜の運動量が落ち、粘り強く得点するキングスに軍配が上がった。横浜は第4Qまで主導権を握りながら、最後まで良いリズムを維持できなかった。(平安太一)

◆体力と集中力保った
 伊佐勉HC(キングス)の話 去年の王者の横浜は崩れなかった。第2Qは横浜のパターンにはまってどうしようもなくなったが、ハーフタイムで一つ一つ丁寧にやろうと確認した。しっかり守れば自分たちのペースになると思っていた。体力と集中力を保った選手は素晴らしい。

◆非常に残念だ
 勝久マイケルHC(横浜)の話 非常に残念だ。これ以上悔しい試合は数えるほどしかない。昨日の悪かった部分を選手が修正したが、ゲームをフィニッシュできるメンタルのタフさやゲームコントロールができなかった。まだ試合は続くので、切り替えて前を向きたい。

◆驚異の粘り 昨季王者撃破
 驚異的な粘り強さだった。第4クオーター(Q)残り約5分でキングスのビハインドは15点。劣勢に立たされた試合の最終盤でマクヘンリーが内外から得点すると、バーンズは勝負どころで3点弾を沈めた。延長戦でも2人が存在感を示し、大逆転で昨季の王者を撃破。バーンズは「タフな試合だったが勝ち切ったことは大きい」と汗を拭った。
 終盤まで横浜ペースで試合が進んだ。キングスの外角シュートはリングにはじかれ、インサイドへ切り込んでも横浜の外国人選手が立ちはだかった。「理由は分からないけど体がほぐれていなかった」と言うバーンズは、第3Qまで3点弾を決められず、チーム全体のシュート精度も上がらないまま時間が流れた。
 敗戦の影もちらつき始めた第4Q、「諦めない気持ちでファイトし続けた」というマクヘンリーが空気を変えた。地元ブースターの大声援に後押しされながらリングをこじ開けると、「第4Qになって体がほぐれた」と語るバーンズの外角シュートで追撃した。
 第4Q残り約30秒で同点に追い付くと、第2延長戦の終盤までキングスの集中力は切れなかった。バーンズは「何が起こっても勝つ方法を見つけられた」と充実した表情で語る。これでシーズンの前半戦が終了、26日のオールスターを挟んで後半戦に突入する。マクヘンリーは「チームは正しい方向に進んでいる」と手応えを口にし、「優勝に向けて日々の練習から成長したい」とチームのさらなる強化を誓った。(平安太一)