興南(男子)那覇(女子)全勝V 小橋川杯高校バスケ


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 バスケットボールの第32回小橋川寛杯争奪高校生選手権大会最終日は19日、県総合運動公園体育館で男女の決勝リーグ残り試合を行い、男子は興南、女子は那覇がいずれも3戦全勝で優勝を飾った。興南は3年ぶり9度目、那覇は4年ぶり2度目。男女の上位4校は、全九州高校春季選手権大会(2月・長崎県)に出場する。

◆興南/比嘉が劇的同点弾
 男子は2勝で並ぶ興南と前原の最終戦が事実上の決勝となった。第4クオーター(Q)残り3秒で、2点リードしている前原のスローイン。勝負は決まったかに思えた。が、興南の比嘉崇光は緩いバウンドパスの軌道を瞬時に見極めていた。「取れる」。相手選手に渡る寸前にはじいて奪い取り、猛然と自陣へ運ぶ。同点のレイアップシュートを鮮やかに沈めると、割れんばかりの歓声が起こった。
 こうなると勢いは興南のもの。延長は持ち前の堅守速攻で突き放した。第4Qでの同点プレーの直前、比嘉はバスケットカウントを狙って逆に反則を取られ、好機をつぶしていた。「やってしまったと思った」と明かすが、勝利への執念が劇的な結末を引き寄せた。
 興南はこの日、タイムアウトを一度も取らなかった。8強入りを逃した昨年12月の全国高校選抜優勝大会の経験を糧に「個々の資質を上げないといけない。自分たちの頑張りで勝てればいいものが残せる」(井上公男監督)と臨んでいた。3点リードで迎えた第3Qに崩れ、51―60と引き離されても諦めなかった。「気持ちを切らすな」「逆転できる」と声が飛び交った。
 前チームから主将を担う税所(さいしょ)寛を筆頭に、主力が多く残る。税所は「全国のレベルを知り、自分たちもトップにいけないわけじゃないと確認した。全国クラスの練習をしてトップを目指したい」と拳を握った。
(大城周子)

◆安定の試合運び「コツコツ」実践/那覇、全国で躍進誓う
 女子は那覇が安定感のある試合運びで全勝優勝を飾った。しかも初戦からオールコート守備を貫いての栄冠。主将の中山美裕は「県で30点以上離さないと全国では勝てない」と反省したが、実力は抜けていた。
 小柄な体格で全国の強豪と戦うために、守備の強化に取り組む。圧力で相手をひるませ、積極的なシュート攻勢で畳み掛けるのが理想だ。この日の西原戦では、最初の6ゴール全てを3点シュートで決め、開始約5分で12点差を付けた。
 今年は「コツコツ勝つコツ」をテーマに掲げる。目の前のことをきちんとやることが勝利のコツ、との意味合いだ。攻撃で存在感を見せた金城菜子は「九州制覇、全国ベスト8がチームの目標」と躍進を誓った。

男子決勝リーグ・興南―前原 延長で相手守備を振り切りシュートを決める興南の比嘉崇光=19日、県総合運動公園体育館(桑原晶子撮影)
女子決勝リーグ・那覇―西原 第1クオーター、ドリブルで攻め込む那覇の金城菜子